幼馴染みの関係

幼馴染との恋

<馴れ初め>

洋子とは幼稚園からの幼馴染だ。最初に会った時の印象は幼過ぎて覚えていないがとにかく活発だった事は覚えている。幼稚園での遊戯ではいつも追いかけ回され、おもちゃはいつも取られ、口喧嘩ではいつも負けていた。でも優しい一面もあり、私が他の子供と喧嘩している時は間に入って止めてくれたり給食でお箸を忘れた時には自分のをくれた事もあったが幼さからか当時はあんまり感謝していなかった気がする。またお互いの親同士も仲が良く、家では洋子と幼稚園でどうなのかを良く親に聞かれたものだった。だから洋子とは幼稚園ではいつも絡んでいた。

<小学校への入学と成長>

僕らは小学生になった。幼稚園からの延長で洋子とは変わらず仲良くしていた。学校では休み時間には校庭でよく遊んだし互いの家に遊びに行った事もあった。1~2年生の頃は男女の意識もなかったので着替えや身体測定を一緒にやってもそんなに気にしなかったが、中学年ぐらいになると成長して来るからお互い男女の意識が芽生えて来る。だから体育や健康診断の時の着替えも別々になった。1~2年の頃は着替えの最中に「まだ胸小さいな~生板やな~」「うるさ~い!!タクちゃん(僕のこと)も租チンのくせに!!」の様に半分冗談で笑いながら男女がやり合ったり、男子が面白半分で女子スカートをめくったりしていたが、その内洋子を始め女子達が本気で嫌がる様になって来た。

<度が過ぎた悪戯と絶交>

あれは小学校3年生ぐらいだったか、掃除の時間に雑巾で床拭きをしている洋子のスカートの中に、面白半分で僕は頭を突っ込んでしまった。当時は他の男子も同じような事をやっていたがその時は洋子が本気で嫌がって泣き出してしまった。まあ以前から徐々に嫌がる素振りは見せていたのだが鈍い男子達はあまり気づく事無く悪戯していたのだった。それがその日の私の行為で女子の我慢も限界に来てしまった様だった。泣いた洋子が他の女子の元に駆け寄り、女子一斉に僕を責めてきた。それまで経験したことが無い様な女子達の非難に、僕を始めとしたその場の男子達がビビッてしまった。そしてその日以降男子達の女子への悪戯は無くなり、僕も洋子とは小学校卒業まであまり口を利かなかった。

<中学校入学と接点>

僕らは中学生になった。この歳になると思春期だ。周りの女子は髪型とかおしゃれはもう大人びて来たし、男子も髪型を気にし出した。特に洋子は小学生の頃からはかなり雰囲気が変わった。一言で言えば色っぽくなっていたのだ。そんな彼女とまた仲良くしたかったのだが小学校の時のあの事件がまだ尾を引いており、思うように話しかけられなかった。ただ同じクラスだったし、偶然なのか同じテニス部に入ったので共通の話題はあったので徐々に話はする様になっていった。話していくうちに小学生の頃の様までとはいかないけどまた仲良くなった気がした。

<高校入学と交際>

僕らは高校生になった。2人とも同じ高校の同じテニス部に入った。その頃の彼女は一人の女性として魅力的になっていた。元々活発で明るかったのでちょっとギャルっぽくなっていた。僕はそんな彼女と同じ高校、同じ部活に入れた事を嬉しく思った。それと同時に付き合いたいと思うようになった。でもそれは他の男子も同じだった。同じクラスの新田君が彼女と一緒に映画に行ったという噂を耳にした。僕はそれを聞いて焦った。彼女とは小学校の後半よりはよく話す様になっていたが、「新田君とデートしたの?」といきなり聞くのはまだ敷居が高い。そこで僕は新田君にはないテニスと幼馴染というお互いの共通点を利用して洋子を誘う事にした。誘い文句はこうだ。「一緒にテニスの練習しない?俺もインターハイ行きたいからさ。また昔みたいの俺ん家おいでよ。」すると「タクちゃん家か~小さい時以来だから結構変わったんだろうね。いいよ練習しよう。」狙い通りにOKが出た。その日から洋子は週に1回は僕の家に練習に来た。親も「なんか2人が小さい頃に戻ったみたい」と喜んでくれた。僕はそんな毎日が楽しかった。もう大分仲良くなったので僕の告白にも洋子はあっさりOKを出してくれて僕達は付き合うことになった。それからは毎日がバラ色だった。自宅での練習が無い日は学校帰りに2人でカラオケや買い物デートを楽しんだので毎日彼女と一緒にいる事が出来た。僕はこんな毎日がずっと続いて欲しいと思っていたが、現実はそう上手く行くものでは無かった。

後編へ続く。

<部活の終わりと受験の始まり>

洋子が練習に付き合ってくれたおかげでテニスは物凄く上達した。高校3年生の夏には2人でインターハイにも出場してベスト8まで進出した。洋子と一緒に成長出来てとても充実したテニス部生活だった。だけどインターハイが終わると3年生は引退だ。そうなると一緒にテニスの練習をするのも終わりなので寂しくなった。そして受験シーズンが迫って来た。2人は一緒に勉強する様になり、一緒に過ごす時間はテニスから勉強へと変わった。

「過ごし方は変わったけどこうやってまた一緒にいられるんだから嬉しいね。」洋子は微笑んで言った。そんな彼女の事を僕は心底好きなんだと思った。

<生まれた溝>

ところがいざ勉強を初めてみると2人の学力にかなり差がある事が分かってしまった。洋子の方が僕よりも数段学力が上だったのだ。だから2人で一緒に勉強するはずが、僕が洋子に勉強を教えてもらう事の方が多くなり、洋子の勉強の足を引っ張っていた。最初は洋子も仕方ないな~という感じだったが、彼女の中でも自分の勉強が出来ない鬱憤が溜まっていたのだろう。次第に勉強中にイライラする様になって勉強中に険悪なムードになる事が増えたので、一緒に勉強する機会も次第に減っていた。

<気になる噂>

そんな時に友人から噂話が聞こえて来た。洋子が新田君と良く一緒に勉強しているというのだ。確かに新田君は僕より優秀だし学力は洋子と張り合っているから一緒に勉強し易いのかもしれない。でも僕の彼女だぞ!!洋子も何考えてるんだ!!洋子を問い詰めると「今正念場だから受験の事だけ考えたいの!!はっきり言ってタクちゃんと一緒に勉強してたんじゃ行きたい大学にも行けなくなっちゃうから受験が終わるまで距離を置いて欲しいの。」そう言われてしまった。いくら彼氏彼女の関係でもお互いの人生を壊しちゃいけないと僕は思い、それ以上洋子を問い詰める事はしなかった。

<広がる彼女との距離>

それから洋子とは距離を置いた。僕も自分で勉強を頑張ったが教えてくれた洋子はもういないのでなかなか進まなかった。そうしている間に洋子はどんどん先に進んでいって難関大学まで狙えるぐらいまで学力が上がった聞いた。僕も焦って自分なりに一生懸命勉強して洋子に近づこうとしたが、元々要領が良くないせいか成績は上がらなかった。こんな調子だからますます洋子と話す機会は無くなっていった。そしてついに受験本番の時期となり、洋子と新田君は同じ県外の難関大学に合格した。かたや僕はというと地元のFラン私立大学にしか合格出来なかった。

<卒業式の別れ>

洋子とは卒業式の日に久し振りに会話をした。「今まで距離を置いててごめん。私自分の事で精一杯で。」と謝ってくれた。「いや僕の方こそ頭が足りなくて。」と冗談交じりに言うと彼女はクスッと笑ってくれたがすぐさま表情が強張り、「あのね。私達もう別れた方がいいと思うの。実はこの受験シーズンに新田君と一緒に勉強してて彼の事が好きになっちゃって。大学も一緒だしこれからは新田君と一緒に人生を歩んでいこうと思って。」正直ショックだった。受験で忙しくてお互い距離は置いていたし、ましてやこれからの2人の事などを考える余力も無かったけどまさか別れを切り出されるなんて。そりゃ受験の頃は絡まなかったけど小さい頃からずっと一緒に過ごして来て、ましてや付き合うまでいった仲だったなのに。僕はこれまで彼女と過ごした記憶が頭の中で走馬灯の様に蘇り、泣いてしまった。彼女も涙を流していたが、別れるという意思は強そうだったので僕はもう仕方ないと思って諦めた。こうして僕たちは別々の人生を歩む事になった。

<新たな生活>

4月から地元の大学で新たな生活が始まった。僕は入学後に新しい彼女が出来た。洋子とは正反対の大人しめの子で、あえてその様な人を選んだ。今まで交際した事の無いタイプの子に魅力を感じた事もあるが、やはり洋子の事を忘れようとしていたのもあるのかもしれない。でも思った以上に大学生活も新鮮だった。初めて飲むお酒は美味しくて新しい彼女もとても優しいし素人ながらテニスに付き合ってくれたりするから一緒にいてとても楽しい。だから卒業式の出来事から完全に立ち直る事が出来た。でもふと時々思う事がある。洋子は今頃どうしてるのかと。別に新田君と別れていて欲しいとかそういう事を望んでるのではなく、ただ幸せにこれからの人生を歩んで欲しいと思うのだった。

t624著

出会い系マッチングサイト情報