私には兄弟が4人いるのですが、従兄弟も4人います。
しかも全員が同世代で趣味も合う人たちばかりなので、かなり交流は深く、互いに困ったときは助け合ったりすることが多いです。おかげで大人になっても寂しい思いをすることがないせいなのか、みんな未だに独身です。
よく親戚が集まったときには、こんなに大勢いて一人も結婚していないことなんてあるんだねと笑っています。
そんななかで、一人だけ一度、結婚しそうになった従兄がいます。
よく進路相談などに乗ってもらったりして、私にとっては実の兄のように慕ってる従兄は一度、家族公認の彼女がいました。私も一度会ったことがあります。
けれど結局結婚までは至りませんでした。
今回はそんな従兄の恋愛の顛末についてお話しようと思います。

従兄の彼女
学生時代から従兄はとてもモテる人でした。奥手でそんなに饒舌な方でもありませんが、ノリがよくユニークな面もあって、なにより顔立ちが整っていたので、女性と付き合うことはそんなに難しいことではなかったのでしょう。
しかし、本人の性格が堅めということもあってか、私が従兄の恋人を見たのは一度だけです。当然他にも相手がいたことはあったかと思いますが、家に連れてきて家族公認の仲にまでなっていたのはその女性だけでした。
それぐらい、彼女に関して本気だったのだと思います。
彼女の印象は、とても物腰が柔らかで大人しく、誠実そうな綺麗な女性でした。
堅実で浮いた所が一切ない従兄が選びそうな、清楚な印象が強かったのを覚えています。
従兄は一時期親に対する反抗期があったりと荒れていた時期があったにせよ、義理堅くて家族は大事にするタイプではあったので、きっと彼女のことも大事にしているのだろうなと想像することは難しくありませんでした。
そして、彼女と家族を会わせたからには、もう結婚するまでそんなに時間はかからないのだろうなと漠然と思っていました。

親の離婚
同時期に、従兄の父親がよく私の家で、母親と話し込むようになりました。
従兄は私の母の妹の息子、という関係性なのですが、つまり私の叔母の夫婦仲がどうも最近よくないということを風の噂で知りました。
従兄の父親は、私の母にそのことを相談に来ているようでした。その段階で、すでに別れるかもしれないという話にまでなっていたようです。
私は当時そのことを強く残念だと思うわけでもなく、ただただどうなるのだろうと状況を見守ることしかできませんでした。精神的にもまだまだ若かった私は、その夫婦が別れてしまったら何がどうなるだとか、深く考えることができなかったのです。
そして、その後従兄の父親が不倫をしていたことが発覚して、結局叔母夫婦は離婚してしまいました。
叔母は専業主婦だったので一からパートで働きに出ることになったようですが、従兄の家庭では、これまで父親が担ってきた役割をほぼ長男である従兄が受け継ぐようなかたちになってしまったようです。
まだ未成年の兄弟が自分の下に3人いる状態で母子家庭という状況は、長男であり、家族をなにより大切にしている従兄からすると重責になったことでしょう。
当時高校生だった私にはそこまで想像は至りませんでしたが、今考えると胸が痛むくらいに彼の心境が分かるのです。

別れ
ほどなくして、従兄は例の彼女と別れたという知らせを聞きました。
それを聞いたとき、とても歯がゆい気持ちになったことを覚えています。別れた理由を聞かなくとも、大体想像ができました。
しかしなぜ彼が得られたはずの幸せを手放す必要があったのだろうと疑問を感じずにいられませんでした。
私の母親も従兄に対して、「家のことはあなたに関係ないから別れる必要なんてない」と諭していたようなのですが、従兄は現状結婚できないということや、家庭を支えるためにも彼女がないがしろになってしまうことなどを考慮して別れる決断をしたようでした。
私には絶対にできない決断だと思います。
確かに家族は大事です。けれど、私は自分に責任のない範囲で起きたことの始末までつけろと言われたらキレてしまうような人間性なので、彼のような決断はとてもできないでしょう。
家族を大切にする従兄の決断は素晴らしいものですが、彼女の意思がどこに着地したかもわからないので、諸手を挙げて賛同もできませんでした。
ただ、家族か恋人かを選ばせるような状況に追い込んでしまった大人たちがなにより悪いと断言できます。
あまり他人の家庭の事情に対してズケズケと口をはさむことはしたくないのですが、この一連の流れを見ていた頃思わず叔母夫婦を罵りたくなってしまったのは、間違っているでしょうか。
703著





























