職場での出会い

ある一人の女性の出会いと別れ

これは50代女性のお話。

彼女はバツありで一人暮らししている。

彼女が離婚したのは約6年くらい前のことだ。

子供は娘二人いるが、元夫に引き取られた。

何故このようになってしまったのか、出会いから別れまでお話しよう。

出会い

彼女が元夫と出会ったのは彼女が30歳の頃。

そのとき元夫(これからは彼と呼ぼう)は25歳。

スーパーマーケットが出会いの場所。

同じ職場だったからだ。

彼女はいつもニコニコしていた彼に惹かれていった。

ある日彼女は彼に思い切って告白をした。

「私あなたのことが好きです。」

でも彼からの返事はこうだった

「あなたの言葉にのしをつけてお返しします。」

彼は彼女のことは友達としか見ていなかった。

友達としての付き合いが約3年続いたとき。

「俺結婚することにした」

彼には10歳年下の彼女がいたのだ。

「そんな…」

彼女はショックで一晩中泣いていた。

でも彼からの電話連絡は無くなることなく続いていた。

結局彼は10歳年下の彼女にフラれてしまった。

「俺、フラれたよ…」

受話器から聞こえる悲しそうな彼の声。

ただなぐさめるしかない彼女。

そして彼は彼女の気持ちにやっと振り向き、二人はつき合うことになった。

結婚へ

つき合いはじめて数ヶ月たったとき、ちょうどお盆休みの帰省で彼は実家へ行った。

その途中彼は彼女に電話をした。

「結婚しよう」

プロポーズの言葉に彼女は泣きながら「はい」と答えた

その後彼女のおなかの中に新しい命が宿っていることを知る。

お互いの両親の許可を得て二人は結婚した。

小さなアパートで二人の幸せな生活が始まった。

彼は大きくなる彼女のお腹を毎日やさしくさすっていた。

そして新しい家族、女の子が産まれた。

すくすく成長していく子供。

そんな矢先彼女の身体に異変が起こる。

検査を受けたら精神疾患を患っていることがわかった。

「私が…なんで…?」

ショックうける彼女だが彼は受け止めた。

そして二人目の子供、女の子が産まれた。

しかし彼女の病気は容赦しなかった。

少しずつ彼もまた変化していく。

精神的DV

彼と彼女の間に亀裂が入りはじめたのは、子供達がまだ保育園に通っているころ。

ケンカの度彼女は過呼吸をおこしてしまったりしていた。

彼は元々アルコールが好きだったが、どんどん量が増えていった。

そして彼女の病状はだんだん悪化していった。

「どうして…?どうしてこうなってしまうの?」

ある日の夜、アパートの車の中で彼女はとうとう大量に薬を飲んでしまった。

幸い意識は取り戻したものの部屋に戻るにもフラフラで思うように行けない。

彼女は転倒して頭を怪我してしまった。

しかし薬のせいで痛みを感じなかった。

やっとの思いで部屋に戻った彼女を見た彼はすぐに病院に連れて行こうともしなかった。

病院に行ったのは夜が明けてからだった。

「なんですぐに病院に連れていってくれなかったのだろう」

彼女はふとそんな不信感を抱いた。

それからしばらくして彼女たちは一戸建ての家に住み始めた。

夢のマイホーム、幸せになるはずだった。

彼のアルコールの量は彼女からの減量には耳を傾けることもなく増える一方だった。

その度に仕事の愚痴、彼女のことを悪く言っていた。

アルコールが入っていない状態でも、彼女が具合悪くて横になっていれば

「なに偉そうに横になっているんだ」

と不機嫌に言った。

彼女が調子悪くても台所に立って夕食の支度をし始めると、彼が仕事から帰ってきて

「なに今頃から作り始めているんだ!遅い!」

と怒られた。

彼女は台所に立つのが怖くなってしまった。

「私はもういなくてもいいんだ…」

そして彼女はまた大量に薬を飲み意識を失った。

意識を戻したのは病院の集中治療室だった。

彼女はそのまま入院した。

彼がお見舞いに来ることは一度もなかった。

離婚へ

「もうだめだ」

彼女はそう悟った。

「別れた方がいいのかな」

彼女は子供達のことを気にかけながら家を出た

彼とは調停離婚した。

家庭裁判所で顔合わせることはなかった。

子供達とは月2回の約束で会えることになった。

月2回だけど子供達と会えるのは嬉しかった。

食事したり、買い物に行ったり、カラオケもした。

そんな楽しい時間が5年続いたある夏の日

本当の別れ

下の子供に用事で彼達が暮らしている家を訪ねた時彼が出た。

そのとき彼は笑いながらこう言った。

「俺肝硬変なんだよね」

「だからアルコール飲み過ぎだって言ったじゃん」

彼女はきつく答えた。

しかしその日が彼との最後の会話になってしまった。

それから約10日後下の子供から電話がかかってきた。

「どうしたの?珍しいじゃない」

「お父さんが救急車で病院に運ばれたよ!」

その知らせに彼女は急いで下の子供を車に乗せて病院へ行った。

しかし医者からの言葉は冷たく感じた。

救急車で先に来ていた上の子供と一緒に3人で意識のない彼の元へ行った。

「お父さん!頑張って生きるって言ったじゃん!」

下の子供が彼の左手を握り泣きながら言った。

上の子供はジッと彼を見ていた。

そして3人で彼の最期を見届けた。

「子供達を授けてくれてありがとう。育ててくれてありがとう。」

静かに眠る彼に彼女は心の中でお礼を言った。

彼は今故郷で眠っている。

子供達の成長を空から見ているに違いない。

彼女は片親になってしまった子供達のために頑張って生きようと思った。

kaoimvgp著

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