学校での出合い

初恋

これは高校生のTちゃんとK君の初恋の話です。

<出会い>

 

桜が満開を迎え、散り始める頃、二人は入学式を終え発表されたばかりのクラスに分けられた教室で緊張と希望と不安の中着席していた。

「どこの中学?」
K君は隣りに座っているTちゃんに眩しい笑顔で話しかけた。

(キラキラした笑顔だな・・・)
Tちゃんは思わず見惚れてしまっている自分にハッとしながら、
「〇〇中。」と少しぶっきらぼうに答えた。

「〇〇中かあ!同じ塾だった友達いるよ。S。友達?」
「うん!同じクラスだった!!仲良しだよ!」
とても自然な心地よい流れで会話が進んでいく。
騒がしい教室の中で動き出した二人の時間。
これが二人の最初の出会い。

<夏休み>

 

「くれぐれも事故に気をつけるように。宿題も計画的になー!」
担任の声で夏休みは始まった。
春から時は進み、毎日の時間を共有する中でそれぞれの人間関係が深まっていく教室。
部活、塾、学校内では一大イベントの地域のお祭、それぞれの期待を胸に夏休みを迎えることとなった。
TちゃんとK君も日々の学校生活の中で中を深めていった。
LINEの連絡先も交換し、ほぼ毎日のように他愛のない連絡を取る中だ。
宿題を見せ合ったり、ノートの貸し借りをしたり、周りのクラスメイトも何となく二人の関係を意識している。
高校生特有の察知能力の高さから二人の関係はすぐにクラスメイトにも暗黙の了解となった。
「K君てさ、Tちゃんに話したいから絶対わざと宿題忘れてるよね。」
とクラスメイトが茶化すことがあっても、
「どうかなー」
と誰も敵に回さず、身を躱すK君にクラスメイトも二人をあたたかく見守る空気に包まれていた。

終業式を終えた帰り道、
身支度をしていたTちゃんにK君は自然な流れで話しかけた。
「一緒に帰ろうぜー」
「今日から夏休みだから打ち上げでアイス食べよ!」
「いいね!じゃんけんで勝った方が奢りな!」
「K君めっちゃじゃんけん弱いけどいいのー?」
「今日は絶対負けねー」
二人は弾むように歩きながらいつものコンビニへと歩いていった。

「ごちそうさまです!!」
「次は絶対負けねー!」
案の定じゃんけんに負けたK君は二人分のアイスを買って袋から出し、渡した。
「公園行く?」
「おう!」
二人はアイスをかじりながら近所の公園へと向かった。

誰もいない公園についた二人は、ブランコに座りながら他愛のない話を繰り返した。

「Tさ、祭りって誰かと行く?」
「え、SちゃんとHちゃんと行こうと思ってたけど・・・」
「そっか。もしよかったら一緒に行かない?」
あまりにも眩しい笑顔でこっちを向いてるK君に思わず見惚れてしまうTちゃん。

(相変わらずキラキラした笑顔だな・・・)
「うん!いいよ!行きたい!SちゃんとHちゃんには申し訳ないけど説明する。」
「やった!決まり!また時間とか連絡するわ!」

この夏の二人の一大イベントが決まった。

<夏祭り>

 

「17:00に公園の入口で!!」
「了解!」
やり取りをした二人は待ち合わせ場所へと向かう。
夏休みに入り毎日メッセージの連絡は取り合ってたものの、会うのは終業式以来3週間ぶり。
緊張しながらも新調した浴衣を着て一足先に待ち合わせ場所に着いたのはTちゃん。
ここに来る間にも友達に会い、
「K君と待ち合わせしてるの?いいなーーお幸せにーー」
と言われて照れながらも、余計に緊張を助長させた。

「ごめん!待たせたー!」
きれいな歯並びを見せながらいつもの眩しい笑顔で走ってきたK君。
「今来たとこ!」
「浴衣、似合ってる。」
こっちが恥ずかしくなるくらい照れながら褒めてくれたのが嬉しかったTちゃん。
「りんご飴食べたいー」
「俺たこ焼きー」
「いいね!並んでるかなあー」
「花火楽しみだな!」
「ね!丘の裏側が穴場らしいよ!」
「よし!食べ物買ったら行こうぜ!」

二人はいつもの流れる様な心地良い会話を弾ませながら雑踏に紛れていった。

<告白>

 

りんご飴と焼きそばを買った二人は話しながら打ち上げ花火の場所取りへと向かった。
3週間ぶりに会ったのと学校での日常とは違う状況によりあった緊張も完全に解け、二人の心地よい時間が流れていた。

「そろそろかなあ」
「だな!去年は音しか聞けなかったからホント楽しみだわ!」
「ね!私このお祭りの花火が一番好き!」
「俺も!」

ドーン

体に響き渡る大きな音とともに空いっぱいに花火が広がった。
降ってきそうな火花が二人の顔を照らした。

「やっぱり綺麗だったね。」
「おう!最高だったな。」

人の流れに流れて帰路へと進む二人。
特に何も言わないけれどTちゃんの家の前まで送っていくK君。
最初はいつもの会話を続けていたものの、家に近づくにつれ、何となく緊張した空気が流れる。
ついにTちゃんの家の前についた時、K君が口を開いた。

「T、ずっと好きでした。付き合ってください!」
「・・・・私も好きです。よろしくお願いします!」
「・・・やった!よろしく!」
「うん、よろしく。」

こうして二人の青春が始まっていった。

e619著

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