
初めまして!Scheat(しぇあと)と申します!
今回書かせていただくのは私が小学六年生から中学二年生にかけてしていた片思いのお話です。
小学五年生の冬、いよいよ最終学年だという雰囲気が徐々に出始めていた頃に私は親から転勤を言い渡されました。
転勤することを知らない友人が、私に卒業旅行の計画を楽しそうに話してくれた時の複雑な心境は今でも覚えています。
住み慣れた街に別れを告げ、不安と孤独を感じながら始まった学校生活。
その中で私は彼女に出会います。
出会い

転勤先の学校において転校生は珍しくないらしく、好奇の目で見られることはありませんでした。
気の合う友人もでき、順調な学校生活を送っていましたが、余裕が出来てきた私はスクールカーストを気にし始めました。
そんな中で、私は彼女を「憧れの人」として認識し始めます。
高い身長に艶やかなロングヘア、端正な顔立ちの彼女は一見すると小学生らしからぬ大人な印象を受けますが、溌剌とした性格の持ち主でもあり素敵な笑顔も印象的でした。
内面・外面ともに優れた彼女は交友関係が広く、まさしくスクールカーストの上位に属する人間でした。
そんな彼女との交流は自分がいじられる形で始まりました。
当時の私はクラス内でいじられキャラとして定着しつつあり、それを生かして交友関係が広がってきていました。
それに倣う形で彼女も私をいじるようになり、授業中に目配せをされたり手を振られたりといったことから始まり、次第に授業以外でも交流が増えていきました。
憧れの彼女と関わりを持つことが出来た私はすっかり浮かれてしまいどんどん彼女を好きになっていました。
小学生を卒業するころにはその気持ちは非常に大きなものになっていましたが、元々奥手な性格の私にアプローチする勇気はなく、中学校に進学します。
停滞
私と彼女は同じ中学校に進学します。
私の小学校の卒業生は殆ど同じ中学校に進学したため、ある程度友達がいる状態からのスタートでした。
しかし、8つものクラスがあったためクラスが離れてしまった友人とは次第に関係性が希薄になっていきました。
彼女ともクラスが離れてしまったため、中学一年生の頃は殆ど話をできなかった思い出があります。
しかし、部活が同じだったため目にする機会は頻繁にあり、容姿も好きな要素の一つであったことから好きな気持ちは関係性に反して膨らんでいく一方でした。
彼女を想う気持ちと進展しない関係を比べ、その乖離に苦しんでいた私は何とかして彼女と関わる機会を作ろうと考えていましたが、そんな私にチャンスが訪れます。
※部活は男女混合で約120人の部員がおり、部内で関わりがある人は限られていました。
進展と決意

私は彼女と同じクラスになりました。
幸運なことに仲の良い友人もたくさんおり、新学期の友人作りに躍起になる必要がなくなった私は余裕ができたため、私は彼女と同じ委員会に入ります。
委員会には定期的に会議があり、自分が希望した委員会は特に頻繁に行っていました。
クラス、部活といった集団でのかかわりに加え、委員会という個人での関わりの機会を得た私は一気に交友を深めていきます。
最初は告白を意識して動いていた私ですが、一年間ほとんど関わりがなかったこともありすぐには踏み切れず、次第に「機を窺ってアプローチしよう」と悠長に構えるようになりました。
しかし、秋の合唱コンクールを終えたあたりから私の余裕は無くなっていきました。
受験が現実味を帯びてきたのです。
今まで遊び惚けていた友人が塾に入ることを検討し始めたり先生が受験について話す機会が増加したりなど、明らかに周囲が受験に向かって動き始めていました。
私自身も放課後は塾へ行き閉館時間まで勉強する生活をはじめ、勉強時間が大幅に増加していました。
このような状況において部活やクラスでの時間はますます大切なものとなり、そこで初めて「期限」を実感することとなります。
部活は三年の夏まで続くためまだ十分な時間がありますが、クラスに関しては半年もせずに解体されてしまいます。
親しくしている友人とはクラスが離れても十分に関わることが出来ると考えていましたが、彼女とのかかわりはそう簡単にいきません。
前述の通り、彼女とのかかわりのほとんどはクラスが同じになったことで生じたものです。
クラスの多さから再び同じクラスになる確率がかなり低いうえ、仮に同じクラスになったとしても受験に追われてそれどころではなくなってしまう可能性も大いにあります。
したがって、現状はまたとないチャンスであり、悠長に構えている時間はないと強く意識するようになりました。
このような状況下で、私は告白に踏み切ることとなります。
告白

12月のある日、世間がクリスマスムードに包まれつつある頃私は彼女を一緒に帰ろうと誘いました。
以前一緒に帰った時、今度こそ告白しようと思っており、そのチャンスが訪れた形です。
家が同じ方面で、ゆっくり歩けば三十分ほどは一緒に居られる距離でした。
最初は他愛のない話をしながらチャンスを窺っていましたが、自宅までの長い一本道に差し掛かった時、ついに切り出しました。
どうしても勇気のない私は初めから想いを伝えることはせず、外堀を埋めようと考えました。
そこで好きな人がいないかを聞いた私ですが、早々に出鼻をくじかれます。
「好きな人はいない」と言われてしまったのです。
後になって考えれば非常にナンセンスな質問だったことは否めないですが、想いを伝えることなく私はフラれてしまいました。
そこで引き下がればよかったようにも思いますが、発言を受けて気が動転していた私はその判断が出来ませんでした。
元々焦りから告白に踏み切ったこともあってか、成功や失敗よりも想いを伝えておきたいという気持ちが非常に強く、勝ち目のない告白をしました。
案の定気まずい空気が流れます。
しかし、その後の彼女の反応はこの告白がいかに滑稽なものだったかを示していました。
彼女が私に思いを寄せていないことを知ったのは先ほどでしたが、私が思いを寄せていることを彼女は以前から知っていたようです。
しばらくの沈黙の後、特に驚く様子もなく「友達でいたい」と言いました。
代償

家に帰って心を落ち着かせた私に、「フラれた」という事実が重くのしかかってきました。
当時の私はフラれた理由を非常に気にしており、「他に好きな人がいるから付き合えない」ではなく「あなたが魅力的じゃないから付き合えない」という形でフラれたことから自己嫌悪に陥りました。
この気持ちを数日にわたって引きずっていた私でしたが、一週間もすると気持ちの整理がつき切り替えて受験に注力しようと考えられるようになっていました。
そんな私は、あの時羨んだ「他に好きな人がいる」の恐ろしさを実感することとなります。
フラれた日から二週間ほどが経過したある日、部活の友人が私にラインをくれました。
「彼女が私のクラスの親友とラブラブな様子で一緒に帰っていた」とのことでした。
当時の私はクラスの大半の人と友達でしたが、特に仲の良い友達が二人いました。
クラスでの時間の大半を一緒に過ごしていた彼らは、楽しい学校生活になくてはならない存在でした。
そんなうちの一人と付き合っている疑惑が浮上したのです。
周囲の力も借りながら段々と前を向きつつあった私でしたが、彼女との関係は気まずいままでした。
その気まずさに親友までもが含まれる結果となるため、その噂が嘘であることを望みましたが、そう都合よくはいきませんでした。
噂を聞いた直後に送ったラインの返信はその噂を認めるものでした。
「一か月ほど前からアプローチされ始め、先日付き合い始めた」とのことでした。
つまり、私をフった時にはすでにアプローチを始めており、その上で「好きな人はいない」と嘘をついていたのです。
時が経った今では彼女なりのやさしさと捉えることも十分可能ですが、当時の私はそんな余裕がありませんでした。
フラれた悔しさと親友と気まずくなったことへの混乱が爆発し、「落ち込み」だった感情が「怒り」に変化した私は彼女を悪く言い始めます。
運動神経も悪く成績もまずまずで、決してイケメンとは言えなかった私の唯一の誇れる点は「優しい」ことでした。
周囲に対して無害であることが存在意義であり、褒められる点であるはずでした。
しかし、当時の怒りはアイデンティティを守る気持ちを上回り、幼稚な人間を作り出しました。
かくして三年間の片思いは幕を閉じました。
その後
幸運なことに三年生のクラスは違うものとなり、その後はほとんど話すことなく卒業しました。
例の親友については、しばらく気まずい期間を過ごした後に相手から話し合いの機会を設けてくれたことで仲直りすることが出来ました。
お互いがどうしたら良いかわからない状況下で、全く悪いことをしていないのにも関わらず大人な対応をしてくれた彼には頭が上がりません。
その後の彼女についてはほとんど知りませんが、進学先の高校で大きく偏差値をあげたそうです。
この記事の執筆を通して改めて当時の私の幼稚さを実感することとなり、反省しています。
昔の話とはいえ語るのが恥ずかしいお話でしたが、楽しんでいただけたら幸いです。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
Sc677著





























