男女の出会いの記事を書くにあたり、恋愛経験の少ない私は、友人らに経験談を聞きました。
その中で、中学からの友人に「吉田のこと書けば?」と返信が。
吉田って誰?という感じだったのですが、友人の話を聞いて記憶が蘇ります。
吉田君は中学の同級生で、成人式後に行われた同窓会で再会した男性でした。
無害そうに見えた彼、実はちょっと面倒な一面を持っていたんです。
いいネタがあったという喜びと、再びおとずれた心のモヤモヤ感とで、複雑な気持ちになりました。
冷静に文章に書き出せば気持ちも落ち着くかもしれない!という期待を込めて綴るので、最後までお付き合いいただけると幸いです。
同窓会で隣に座った男の子

成人式のあと夕方から中学の同窓会をする、というのが私の地域では毎年の恒例でした。
久々に会う友達は少し大人っぽくなっていても、会えば心は中学時代に戻り、懐かしい思い出話に花が咲きます。
すると隣に座っている人が、誰とも話さず、静かにお酒を飲んでいるのに気付きました。
別クラスだったのですが、顔だけは覚えていた男性です。
私は楽しくワイワイ飲むのが好きなので、その場を離れようか、とも思いました。
しかし好きで静かに飲んでいるならまだしも、何かに落ち込んでいるのかもしれない。
せっかくの同窓会なんだから、楽しく飲んでほしい!と思い、声をかけることに。
「ねえねえ、あんまり皆と話してないけど、何かあった?仲良かった人とか不参加だった?」
「…いや、そういうわけじゃないけど…」
「……」
「……」
会話終了。
本当にただ静かに飲みたいだけなのかもしれない。
しばらくしたら席を移動しようと思ってると、彼から話しかけてきました。
傷心の吉田君

彼の名前は吉田君。
大学生の彼は、同じ大学に通う彼女がいたのですが、先月いきなり振られてしまったそうです。
私は彼に話しかけたことを後悔しました。
恋愛経験が少ないので、うまく相談にのれる自信がなかったからです。
とはいえこのまま席を外すこともできず「どうしよう…」と思っていたら、吉田君は彼女のことを話し始めました。
彼女の性格、クセ、好きなもの、嫌いなもの、楽しかったこと。
心に溜まっていた思いを、全て吐き出すように話し続けたんです。
悲しいことや辛いことは、誰かに聞いてもらうだけでも、スッキリすることがありますよね。
吉田君の気がすむまで話を聞こう!と思い、耳を傾けました。
初めは真剣に聞いていましたが、1時間たっても話を続ける吉田君に対し、すっかり飽きてしまった私。
たしかに話しかけたのは私だし、彼の気がすむまで付き合うつもりでした。
しかし限度ってもんがある!
申し訳ないがトイレに行って、そのまま別の席に移ることに。
話が少し切れたタイミングで、彼にことわり席を立ちました。
携帯で別の席にいる友人に連絡し、5分ぐらいしてからトイレを出ると、目の前に吉田君が。
人間ってビックリしすぎると、声が出ないんですね!
しかしすぐに「吉田君もトイレか」と思い「ごゆっくり〜」と言って通り過ぎようとしました。
すると何故か付いてくる吉田君。
「トイレじゃないの?」
「ううん、待ってただけ」
逃げる私の気配を察して、待ち伏せしてた?
うまく逃げられずガッカリしたのですが、席に戻ると彼女の話は一切しなくなりました。
大学のことや趣味の話、普通の話題になったんです。
いきなりのことに驚きましたが、吉田君もたくさん話してスッキリしたんでしょうね。
彼は趣味で友人とバンドをしていて、私も毎年音楽フェスに行くなど音楽に興味があったので、共通の話題で盛り上がりました。
トイレで連絡をとった友人も加わり、楽しく会話ができました。
恋の予感?!と思いきや…

そろそろ二次会に行こうか、という雰囲気になり、帰り支度をする私。
翌日も予定があったので、日付が変わる前に帰宅したかったんです。
友人らに別れの挨拶をていると、吉田君から「話を聞いてくれたお礼がしたい」と、連絡先を聞かれました。
もしかして恋が始まる展開?と淡い期待をしてしまった私は、すんなり連絡先を交換したのですが、コレが間違いでした。
その日から、毎日頻繁に連絡が来るようになったんです。
初めは「マメな人なんだな」程度に思っていましたが、夜中や早朝でもお構いなしに連絡が来るようになり、ある疑念が生まれました。
「好かれている」のではなく、「何でも聞いてくれる人」と思われている?
同窓会で吉田君の話を聞いてあげたのは、彼が傷心していたからです。
あくまでも、あの状況だったから話を聞いていただけで、元々が聞き上手なわけではありません。
そして送られてきたメールの数々を見返してみると、「バンドの話を聞いてほしい」「ライブの話を聞いてほしい」など、「聞いてほしい」のオンパレード。
恋の予感をした私の心はすっかり冷めてしまい、むしろ少し迷惑に感じるようになりました。
そこから返信頻度を少しずつ減らしていき、自然消滅を狙っていきました。
幸いにも自宅は教えていなかったのですが、複数の友人から「吉田君から住所聞かれたんだけど…」という連絡があり、少しゾッとしたのを覚えています。
最終的には、もう連絡してこないでほしいと伝え、こちらからは連絡を絶ちました。
それでも1ヵ月ぐらいは連絡があったのですが、私からの返信が全くないので、吉田君も諦めてくれたようです。
恋にならなかった恋でした

吉田君が私のことをどう思ってくれていたのかは、分かりません。
もしかしたら本当に好意を持ってくれていて、恋人になる未来があったかもしれません。
どちらにせよ、少し執着心の強そうな彼を受け入れることは、私にはできませんでした。
軽い気持ちで話を聞き、彼に勘違いさせてしまったことは、申し訳なく思っています。
その後の状況は知りませんが、吉田君をしっかり受け止めてくれる人と出会っていることを、心から願います。
696著





























