合コンでの出会い

出会いを求めて

平凡な日常への不満

大学を卒業し新卒でこの会社に入社できたのはいいが、入社3年目を迎えた自分は何か足りないものを感じていた。仕事にもある程度慣れたし、会社の空気というか、社風にも馴染めている。何もかも順調だ。しかし…何かが足りない。

嫌な先輩社員がいるわけでもなく、高圧的な上司がいるわけでもない。残業も少なく、ほぼ毎日定時で帰宅できる良心的な会社だ。もちろん仕事での疲れはあるし、楽なわけでは無い。どの仕事にもそんなものは少なからずあるだろう。

だが、たまに脳裏によぎることがある。自分は何をやっているのか、と。朝決まった時間に起床し、決まった時間の電車に乗り、会社で仕事をこなす。仕事が終われば、また自宅に寝に帰るだけ。このループに何の意味があるのか…なんて思うことが最近増えている。もちろん給料をもらい、生活するためなのだが…。

同僚の誘いで合コンに行く

ある日、同期入社した酒井と仕事が一緒になった。自分の顔に不平不満が滲み出ていたのか、開口一番「今日、仕事終わりに飲みにいくか?」と誘われた。酒井は飲むと酒癖が悪い奴なので面倒だった。即座に「仕事が残ってるから駄目だ」と適当に断る。

酒井は、自分が断ることを見透かしていたかのように追い打ちをかけてきた。「普通の飲みじゃないぞ、女も一緒だ。どうする?」

酒井の一言にハッとさせられた。そうか、自分に足りなかったのは異性との刺激的な接触だったのだ。26歳の健全な若い男が仕事だけで満たされるわけがない。「恋愛だ、彼女を作ろう。仕事にも張り合いが出るはずだ」自分は誘いに乗ることにした。

酒井がセッティングした合コンに行くことになった。

慣れない合コンで泥酔

会社から30分も歩かない場所で合コンするらしい。安いカラオケボックスで、金を極力使わない合コンをセッティングしたようだ。ケチな酒井らしい合コン会場だ。中に入ってみると先に女の子達が待っていた。

「こんばんわ~。待たせちゃってゴメンねぇ~。」

待っていた女の子2人は、どこかのOLらしい。パッと見た感じ、20代前半の女の子だろうか。酒井の仕切りで合コンが回されていく。来てみて思い出したが、自分はこういう場が得意ではなかった。学生時代もこの手の会は、片手で数えるほどしか参加したことが無い。それもただの数合わせでの参加だった。

酒井はこういう場に慣れているようだ。軽快なトークで女の子達から笑いをとっている。自分は酒井の調子に合わせて相槌をうっているのが精一杯だった。変な緊張で喉が渇き、酒を必要以上に飲んでいたこともあって、酒の力で自分も徐々に喋れるようになっていた。

途中、トイレで酒井と示し合わせた通り、自分はB子を狙うことになっている。酒井はA子が気に入ったらしい。席替えもせず、ずっとA子の横に居座っている。

B子は中肉中背で特に美人というわけではないが、話しやすい雰囲気があった。合コン開始当初の自分は、お見合いのようなつまらない会話しかできていなかったが、うんうんと笑顔で相槌をうってくれていた。できる限り盛り上げようと気を使ってくれていたのだろう、いつの間にか自然と談笑している自分に驚いた。酒の力もあったのかもしれないが…。

知らない家で目が覚める

「何時間経ったかな?」そう思い、自分の左手に目をやると、つけていた腕時計が無い。あの夜から断片的に記憶が抜け落ちてる。頭痛が残る頭を抑えながら周りを見渡すと、見慣れない室内だった。見慣れない風景が酔った頭をクリアにしていく。自分は完全に裸で、知らない家のベッドの上で目が覚めていたのだ。隣には昨夜のB子がぴったりと添い寝している。

焦って服を着つつ、逃げるようにB子宅を出た。酔った勢いで関係を持ってしまったらしい。最寄りの駅から自宅に帰ろうとしていた時、スマホが鳴った。スマホ画面には「B子」とでている。どうやら記憶が無い時間帯に連絡先を交換していたようだ。

「腕時計、忘れてるけど?」

B子の寝起きの声がした。

その後

後日、腕時計を返してもらうという口実で、B子と会う約束をした。

シラフに戻った今でも、昨晩のB子の雰囲気を鮮明に憶えている。

今度会ったら、付き合って欲しいと言ってみるつもりだ。

 

T622著

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