合コンでの出会い

シンデレラストーリーは突然に…でも魔法はいつか。。

本気の恋人を探したい気持ちが物語を創り始める

お互いの素性をそれなりに知っている「同窓会」は出会いの宝庫だが同じくらい宝庫なのが成人してからの「元同級生との合コン」だと思います。そんなベタな始まりの設定の中でおとぎ話のようなことがったら…それはもう、これだ!と、自身のシンデレラストーリーを脳内制作してしまうのも無理はない…

仕事に少し慣れてきた社会人3年目、そろそろ恋人が欲しいなぁ…なんて思っていたら高校の時のバスケ部仲間のケンから誘いがありました。「お互いの中学の同級生」という身元が一応は確かであろう人を集めて4人ずつで合コンを開催することになり、わくわくして当日を迎えました。

当日はイタリアンBarの個室というかなり背伸びしたお洒落な空間での開催でした。何しろ幹事2人は合コン慣れしていないながら本気で恋人をつくろうというのだから気合の入り方が尋常ではなかったのです。さり気なくなんて言ってられず、最初の席決めだってくじを準備しちゃうくらい「やる気です!」ってスタンスで臨みました。もしかしたらメンバーによっては引かれてしまうかもしれないリスクですが、その日はスムーズな滑り出しに成功しました。

奇跡的に気の合う魅力的な相手が登場

「ユウヤです!」「モエって呼んでね☆」みんな、名前で自己紹介していったので私も「マリカです♪」と名乗り合コンスタート!!最初は皆でワイワイ話していたけれど徐々にグループごとに話すようになり途中で席も移動したりなんかして…と何だか妙にうまくいくというか王道すぎて…でもそれが妙に楽しくってちょっと騙されてるんじゃないかなんて思いながらも身を任せて楽しみました。

幹事特権で早めの時間スタートにしたことが功を奏して全員が二次会へ!!今度はもう最初から「さっき気になった人」とそれぞれが話し込む流れになり、私は音楽とアニメの趣味が合った「彼」といい雰囲気になっていました。そんなにメジャーとは言えないアニメの細かいキャラクターの話まで出来て、私が好きと言った曲のフレーズまで口ずさめて「特にココがいいよね」ってコメントをくれて…これはもう話を合わせているレベルではない!!彼のほうも「女の子とこんな話で盛り上がれたことはないよ!」なんて嬉しそうに言ってくれて私たちはお互いの価値観・恋愛観そして結婚観まで語り合いました。

運命の相手に素敵なスパイスが加わった

二次会がお開きになる間際に彼は早口で私に言いました。「俺、実は家で作曲とかするんだ。キーボードとかミキシングの機械も少し持ってて…防音完備の部屋に住んでるんだ。良かったら見に来ない?」酔っ払っていたけれど「見たいけど…今日はちょっと…もう時間が遅いし…」と、キチンと理性が働いた自分を自覚できるレベルは保っていました。そうしたら彼がちょっと近づいて私に囁きました。「マツモトマリカでしょ?俺のこと覚えてないかな?」あれ?名前しか言ってないはずなのに何でフルネーム?

そう、なんと彼は私と同じ小学校出身で小2で同じクラスだったのです!私立の中学校に行ってしまったからスッカリ疎遠になっていたけれどそれがこんな形で再開!?こんなことってありますか!?実家も知っている、ご両親まで薄っすら記憶にあるよ、スーパー安全物件じゃないか!!完全にハイになった私は誘われるがまま彼の部屋へと付いていきました…。

魔法はいつか解ける。早ければ早いほどいい。

ちょっと遠いからと言って彼の家へはタクシーで向かいました、彼のエスコートもまた優しく「女の子だから」と連呼されると本当に自分が大切な「何か」になったような気分になりました。オートロックの綺麗なデザイナーズマンションの洗練された雰囲気も手伝って、まるでお姫様にでもなったような…帰りのコンビニで買ったスイーツとお酒も有名洋菓子店のケーキとシャンパンに思えるような…そんな気分で部屋に案内されました。夢見心地とはまさに、この時の私のことです。

部屋に入ると「…あら、おかえりなさい」という女性の声が聞こえました。びっくりして彼をみる私。中から出てくる女性。驚いた様子もない彼。…少しの沈黙のあと、最初に口を開いたのは女性でした。「あら、またそんな女性と?食事も作り置いたし片付けもやっておきましたから大丈夫よ」…たしかそんなことを話していたと思います。しっかり覚えているのは彼にもその女性にも何ら動揺した様子がなかったことだけです。そして彼が口を開きました。

「悪いけど今日はこのまま帰ってくれるかな?ママが来てくれてるから。」

私が言葉を発する間もなく…というより彼のセリフが言い終わらないくらいで私はコンビニの袋を持ったままの状態で玄関から締め出されました。

「…ママ?」理解するまでに少し時間がかかりました。そう、あれはおそらく本当の母親だと思います。一人暮らしの息子の部屋の合鍵を持ち、勝手に出入りすることが日常でありそれを当然のことと受け入れている25歳の息子なのでありましょう…。

さっきまでの酔いはスッカリさめ、高揚した気分もスッカリ落ち、残ったのは自己嫌悪でした。「そんなおとぎ話の主人公になれる訳ないか」それにしても、たった1回の合コンで少し気が合っただけの相手に運命を感じ、壮大なシンデレラストーリー(駄作)を描けるなんて…。いつか解けるとはいえ、あまりにも短すぎる魔法に対しては妙な喪失感がありましたが「ありがとう、早めに魔法を解いてくれて。」誰にかもわからない感謝の気持ちを口にして無理やりハッピーエンドにするべく家へと帰りました。

 

eijyi著

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