合コンでの出会い

変哲のない大学生活に突然訪れた小動物系彼女の正体とは?

ここでは珍しいタイプの彼女

最初の彼女に対する印象は「こういう場にいるような人には見えないのにな!」だった。ピアスも開いていなければ、化粧も薄めで上品なぐらい。服装も着飾っておらず人前に出れるぐらいの部屋着という印象だった。男女の関係を作り出す事を目的とした、こと合コンにおいてあまりいない珍しいタイプが彼女だった。

今日は男女4:4の合コンで、バイト以外暇を持て余す僕は人数合わせに呼ばれた。彼女もいなければサークルにも入っておらず、なんの起伏もない大学生活を送っていた。だから、呼ばれた時どうせ暇だし行ってやるか、程度にしか考えていなかった。高校までは彼女も何人かいた、モテないわけでもないし、女の人に慣れていないわけでもないが、女子大生になりメイクをして、おしゃれをした生物に僕は怖がっていた。

小動物女子

それぞれ自己紹介を終えたころに、先程頼んでおいた飲み物が来た。彼女はカシスウーロンを飲んでいる。どうやらお酒が弱いそうだ。やはりこの場にいるようなタイプではない、彼女も人数合わせだろうか、そう思うとなんだか親近感が湧いて僕から話しかけた。

「こういう場にはよく顔を出すんですか?僕は初めてで!」

「呼ばれたら来るっていう感じです。自分からは全く!」

両手でコップを持ちながら話す姿を見て、リスを見ているようだなと僕は思った。小動物女子とはまさにこういう人の事を指すのだろう。僕は続けた。

「恋愛願望はありますか?例えばこういう人がタイプとか」

「無いことはないですけど、好きな人は居ません。タイプ…もわかりませんね。」

聞けば過去に元彼は1人だけ、もう5年近く彼氏が居らず、必要性も感じていないそうだ。よくモテない人が強がりで必要ないと言う事を聞くことがあるが、これはその類ではなさそうだ。大学進学後数人から告白されたとも言っていた。

そんな話をしていると、友人から声がかかった

「なあ、黒髪ロングがタイプだったろ?こっち来て話せよ」

どうやら席交換のようだ、この子は彼氏に必要性を感じていないようだし変えるか、と立ち上がり移動した。

1番仲のいい友人の隣の席なだけあって、話は弾み気がついたら終電の2本前の時間になっていた。僕はトイレに行くと言い席を立った。

トイレから帰って来ると、ちょうど彼女が立ち上がり

「お先に失礼します。」

とみんなに挨拶をしていた。ちょうど立っていた僕が駅まで送ることになった。

駅まで10分ほどかかるが、席を変えたせいでその後の彼女について何も知らなかった。

2人分の足音だけが夜の静寂に響く。僕は耐えられなくなり、話をふった。

「大学生になっても、親の言うこと聞いて朝帰りしないなんて偉いですね」

「学費も払ってもらってるので、言うことは聞こうかなと」

一人暮らしの僕と実家暮らしの彼女には、過ごし方の違いが、色々あって思いの外この話題が盛り上がった。と同時に彼女はとんでもなく優等生で悪さやハメを外した行いを一切したことが無い事を知った。

「わざわざ、送っていただきありがとうございました。」

「いえいえ、お気をつけて」

駅に到着するなり彼女は足早に改札を通り抜けていった。連絡先も、住んでいる場所も聞くこともなく、その日は別れた。

2軒目が決まったとの連絡が入り、その居酒屋へと向かった。

喫茶店

その日から3日後、大学の講義が休講になりバイト前に時間ができたため、僕は喫茶店へと向かった。いつものお店は人がいっぱいだったため、少し路地に入ったところにある隠れ家風なカフェに入った。

「いらっしゃいませ」

聞き覚えのある声だ。そこにいたのは、彼女だった。

店内には僕ともう1人奥におじいさんが座っていた。案内された窓際の席に座りメニューを受け取った。

「また会いましたね、まさかこんなところでバイトしてるとは」

「知り合いが来ないので、ここにしたんです」

他に客がいないからか、彼女はずっとそばに立って話し相手になってくれた。彼女はコーヒーに詳しかった。

「今度近くに、新しいカフェができるんですよ」

彼女は嬉しそうにそう言った。僕は何も考えずに

「じゃあ、今度一緒に行きませんか」

そう言っていた。いや、言ってしまっていた。そんな気は無かったのだが、つい小動物のように嬉しがる姿を見て溢れていた。

「いいですよ!是非!」

断られると思った。しかし違った。

あれよあれよと予定が決まり、連絡先を交換することになった。

カフェで

後日、そのカフェに行った。焼き菓子とコーヒーを頼み和やかなひと時を過ごした。

そして、今に至る。今彼女は僕に告白をしている。彼氏を必要無いと言っていた彼女が、だ。

急展開である。連絡先を交換した後、こまめに連絡を取り合っていたが、会うのは3回目にも関わらず告白をされた。

驚くべき事はもう一つある。

僕も彼女を好きになっていると言う事だ。二つ返事でよろしくお願いしますと返事をしてしまった。

初めから不思議には思っていた。他の女性にピアスが付いていたかなんて覚えていない、服装も化粧もほとんど記憶にない。しかし彼女だけは何度も見たことがあるかのようにはっきりと覚えていたのである。

「はじめましてな気がしなかった」

そう告白されるまで、気がつかなかったけれど。

tomoya著

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