
私と夫が出会ったのは、大学1年生の秋のことでした。
大学のサークルの顔合わせで初めて顔を合わせて、
身長が高くてスタイルがよくて、おしゃれで、社交的で、
(うちの学部にこんな人いたかな?)と思いました。
タイプだったかと言われたら、否でした。
とにかく私とはまた違った“陽”な雰囲気で、
圧倒された記憶があります。
私たちのサークルは人数が少なく、同期で打ち解けるのも早かったと思います。
最初の印象と変わらず、社交的で人懐っこい夫とは馬が合い、
お互いの恋愛相談したり、親友のような距離感で仲良く過ごしました。

そんなつかず離れずな関係を続けて変化があったのは、
2年後の大学3年生の夏でした。
当時私には憧れの先輩がいて、初恋の相手でした。
先輩の就職が決まり、2人で何度か遊びに行く仲になり、
すっかり舞い上がっていた私。
結果、盛大に振られてしまうのですが、
振られてすぐの帰り道、誰かと話したくなって電話した相手は夫でした。
夫はすぐに電話に出てくれて、
「ちょうど電話しようと思ってたんだよね」と言ってくれました。
その声を聞いたら急に涙が止まらなくなり、
自分が振られたこと、すごく悲しかったことを涙ながらに語りました。
話し終わると同時に、
「実はおれもさっき、振られたんだよね、、、、」
と告白され、2人そろって!??と最後には大笑いをしました。
そしてそろって振られたから今度ぱ~っと飲みに行こう。と言って電話を切りました。

それから数日後、大学で夫に偶然会ったときに飲みにいくお誘いがありました。
(サークルでわいわい飲むのかな?)と思って了承し、
同じサークルの仲の良い女友達にそのことを話しました。
すると、女友達はさっきまで夫と一緒にいたのに、飲み会の話は出なかった、と。
「それってサシ飲みの誘いじゃないの?」
と女友達はにやにやしながらこちらをみてきました。
そういわれても私はピンときませんでした。
仲がいいとはいえサシで飲んだことはなかったし、
いつものサークルの飲み会のような誘い方だったし、
きっとこれからみんなに声かけるんだよ~!
なんて言いつつ女友達の視線をやり過ごしました。
飲みに誘われた当日、お店に行くと夫しかいませんでした。
(いよいよいつもと違うぞ?)と思いながら平静を装って声をかけました。
「今日2人なんだけどいいかな?」
ちょっと緊張した面持ちで聞いてくる夫に、私も緊張してしまい、
「全然いいけど、なんか雰囲気がいつもと違うよ~」
と少しお茶らけることしか出来ませんでした。
飲み始めて数時間、いい感じにお酒が入っていつもの調子に戻った2人。
20歳そこそこの男女の会話にありがちなワードが飛び出します。
『30歳になってもお互い相手がいなかったら結婚しよう』
言い出したのは夫で、
「こんなに一緒に過ごして楽しいならきっと結婚しても楽しいはず、
だけど身を固めるにはまだお互い若いし、遊びたいし、色々経験して、
でもやっぱりお互いがいいなって思ったら考えてみるのはどう?」
とっても名案だと思いました。
気心の知れてる男友達をキープしつつ、まだ出会いも楽しめるなんて最高!
と思ったのです。
二つ返事で了承しました。
そしてお互い近況報告も兼ねて月一回くらい遊びに行ったりしよう、
という話になり、疑似恋愛も出来るし面白いね~と話がつきました。
そこでテンションが上がった2人は、
「じゃあ次に二人で会うのは、クリスマスにしよう!」
ということになり、もしお互い以上に過ごしたい人が出来たら、
その時は遠慮なく連絡しようね、と言って話がつきました。
数日後、サークル内でクリスマスに予定がない人は、
パーティーをしましょう!という連絡があり、
夫から2人とも予定あるって言っていいよね?と言われたので了承すると、
数時間後サークルのライングループでは、
「あの2人とうとう付き合ったらしい!!!」
と大盛り上がりになってしまいました。
ライングループが盛り上がってるときはちょうどアルバイト中で、
盛り上がりもおさまった2時間後にラインを見たときは本当にびっくりしました。
夫からも電話が何回か入ったため折り返すと、
「2人でクリスマス遊ぶって言っただけなのに話が大きくなっちゃった!!」
と慌てていてかわいいな、と思いました。
サークル内で別の相手を探そうと思ってたわけではないし、
特に気にしているわけではないことを伝え、一件落着しましたが、
否定するのも面倒なのでこのままでいこうとなりました。
(今考えると、なぜ?とおもいます。)

こうして夫との関係は、彼氏(仮)になりました。
後編では彼氏(仮)からお付き合いに至るまでをつづりたいと思います。
a644著
後編

彼氏(仮)と関係が変わってから数週間、
月に1度と言っていたお出かけも月に2度お誘いがあり、
近くのイルミネーションスポットにクリスマスツリーを見に行ったり、
少し離れた牧場まで1日デートに行ったりしました。
彼氏(仮)になった当初は、友達以上恋人未満の関係を楽しもう。
と思っていたのですが、どんどん夫に惹かれていく自分がいました。
元々連絡がマメではない人だったのにいつの間にか毎日連絡が来て、
次はここはどう?とデートの場所を提案してくれたりします。
他にも連絡を取り合ったり会ったりしていた男性もいましたが、
比べてしまってしっくりこず、いつの間にか連絡を取る男性も
夫だけになっていました。

大学3年生のクリスマス。
予定通り2人で遊ぶことになりました。
クリスマスの予定が改めて確定したときの私はなんともいえない気持ちで、
好きになっているけど、向こうにその気がなかったらこの関係も終わってしまう、とか、
ここで好きだと言ったら30歳になったら~という約束もなくなってしまうかも、とか、
いろいろ考えすぎてどうすればいいか分からなくなっていました。
特にプレゼントの話は出ていなかったけれど、
クリスマスだしなにかプレゼントを贈りたかった私は、
『車をだしてもらうお礼』という体で読書好きな夫へ、
本革のブックカバーを用意しました。
クリスマス当日、
私の家の近くの駐車場に停めて待っていてくれた夫。
早めに渡してしまおう。とプレゼントを渡したところ、
夫からもプレゼントを手渡されました。
中身は手袋とニット帽。
クリスマスデートは関東某所の有名なイルミネーションスポットだったので、
寒いといけない、ということでプレゼントしてくれました。
「クリスマスだし、プレゼントがないと決まらないでしょ?」
とにこにこ笑って渡してくれたその顔に、
(あぁ、私この人好きだなぁ)と思いました。
いままで2人で行ったデートは全て夫が考えてくれたプランで、
クリスマスデートも同様でした。
夜ごはんも気張らない程度におしゃれなお店を予約してくれ、
いつの間にかお会計が終わっていて、さながらカップルのデートです。

デートといっても指一本触れてこない、初々しいもの。
加えてガソリン代、ETC代、食事代などだそうとしても絶対受け取ってくれない。
夫に言わせれば、女の子は準備にお金がかかるんだからデート代は出して当然。
そのスタンスが常態化すると私が気を使っていきたいところも言えないだろうから、
デートプランは全て夫側で考えて、提案するスタイルが自分も楽と言っていました。
正直、こんなに私得なデートってあるのかな?と思いました。
大好きな人と楽しく出かけられて、全力で可愛くおしゃれができるわけです。
大学生で割り勘が主流だった私にはすごく新鮮な体験でした。
楽しいクリスマスデートもあっという間に終わり、
年末の忘年会シーズンに突入しました。
サークルでも忘年会が開かれ、終電近くまでみんなで楽しく過ごしました。
夫は当時実家から通っていて、学校からは少し遠く、
終電も早かったのですが、当日は有志を募ってカラオケオールか漫喫に行く予定で
しっかり終電を逃していました。(笑)
私は帰る気まんまんで自分の終電の時間に合わせてお店を出ようとすると、
「おーーーい!彼氏おいて帰るなよーーー!」
とサークルメンバーの何人かから声がかかりました。
みんなに私と一緒にお店を追い出された夫は、
「流れで一緒に出されたから家まで送るけど、漫喫泊まるから気にしないでね!」
と言って私を家まで送ってくれました。
当時弟と二人暮らしをしていたのですが、
弟に確認するとその日は家に帰ってこないとのこと。
それぞれの寝室とは別にリビングもある部屋だったため、
「お金もったいないからリビングで寝たらいいよ!」
と言って部屋にあがってもらうことになりました。
部屋に入った途端そわそわしだし、
「ちょっと話がある。」と夫から一言。
真剣な顔で言ってくるのでこちらも緊張しました。
床に夫が正座するので私も向かい合って正座しました。
「本当はシラフの時で、デートの時に言おうと思ってたんだけど、
何回かデートして、やっぱり好きだなと思ったから正式に付き合ってほしい。」
まさかそんな風に思ってくれているなんて考えもしなかったので、
しばらくフリーズしてしました。
その間も不安そうな夫の顔。
(あ、本気で言ってくれてるんだ。)と思ったらうれしくて嬉しくて。
「こちらこそよろしくお願いします。」
とやっとの思いで伝えました。
夫は見たことないくらいにっこにこな笑顔になって、
「本当は初めて2人で飲みに行ったとき、正式に付き合おうって言いたかったんだけど、
恥ずかしくなって言えなかったんだよね。」
と言ってくれました。

きっと、初めて2人で飲みに行ったときに言われていたら、
自分の気持ちは追いついてなかったから上手くいかなかっただろうし、
このタイミングが私の中では最高のタイミングでした。
こうして晴れて夫と正式に付き合うことになり、
今でも幸せな日々を送れています。
あの時2人で飲みに行ってなかったら、流れに身を任せて彼氏(仮)になってなかったら、
きっと付き合ってなかったと思うので、
男女の恋愛にはタイミングとそこに飛び込む勇気が大切だと思います。
a644著
























