サークルでの出会い

純粋培養な彼女の恋愛事情~彼女は本当に彼が好きだったのか?

本気なのか、フリなのか?

大学の友人に裕美という子がいる。
彼女は、当時としてはまだ珍しい中高一貫の女子高出身で、少し浮世離れしたところのある子だった。
裕美とは、サークルとクラスが一緒だったため、大学の4年間のほとんどを一緒過ごした仲だ。
大学を卒業してお互い家庭を持った今、昔のような交流はないが、年に一度の年賀状だけはいまだにやり取りしている。
彼女は一浪していたため私より一つ年上だったのだが、温室育ちの天然キャラで、世話を焼かずにはいられない子だった。

そんな裕美には、大学時代ずっと付き合っていたS君がいた。
二人は確か、入学間もないころから付き合いだしたので、4年近く付き合っていたと思う。
大学時代の二人は、普通にデートをしたり旅行に行ったりする、ごくごく普通のカップルだった。
私たちはサークル仲間でもあったので、よく一緒に行動していたが、傍から見ても仲のいい恋人同士という印象しかなかった。

私と裕美はよく、お互いの彼氏の自慢話をしていたし、二人が上手くいっているものと思っていた。
私はS君とはサークルだけでなくゼミも一緒だった。
たしか卒業が間近に迫った、ゼミでの飲み会の時のことだったと思う。
S君が裕美の愚痴をこぼし始めた。
彼らは付き合い始めて3年が経っていたが、二人はキス以上の関係には進んでいないというのだ。
私は驚いた。
二人は何回も二人きりで旅行にも行っていたし、彼と行った旅行の自慢話も聞いていた。
しかし彼女がそんなにピュアな女の子だとは思ってもいなかったのだ。
正直、「裕美はいったいどこまで本気なんだ?ただのカマトトなのか?」と思った。
しかし、こればかりは二人の話だと思い、何も口出しすることなくそのまま卒業を迎えた。

泣きながらかかってきた電話

卒業して2年ほどしたころ、裕美が泣きながら電話をかけてきた。
S君から別れ話があったというのだ。
興奮して泣きじゃくる彼女をなだめ、とりあえず私のアパートに呼んだ。
一晩かけて彼女の話を聞いた。
大学を卒業した後も、裕美は彼と付き合っていた。
しかし、お互いに営業職に就いていた二人は、なかなか時間が合わずに、会える時間は格段に減っていた。
当時は今のように携帯がなく、メールもLINEもない時代だ。
自然とコミュニケーションの機会も減り、すれ違いだって起こって当たり前だ。

そんな生活の中で、S君は会社の中に好きな子ができたのだ。
相手の女性は、しっかり者で仕事もバリバリこなす女性だった。
裕美の仕事はまあまあ出来てはいたが、元来天然キャラで、甘いところもあったので、バリキャリとはいいがたいタイプだった。

新しい女性を好きになってしまったS君から、別れ話をされたというのだった。
大学時代に、彼の方から裕美との関係を聞かされていた私は、あまり驚かなかった。
「まあ、いい人ができたらそっちに行くよね・・・。」
と内心は思っていた。

彼女の話を一晩聞いて、とりあえずS君ともう一度しっかり話し合うように諭して別れた。
しかし、修復は不可能だったようで、その後すぐに、二人は別れた。

新しい出会い

そしてまたしばらくした頃、再び裕美から連絡がきた。
どういう経緯で知り合ったのか忘れたが、5歳年下の男性と付き合いだしたという連絡だった。
たしか、職場の後輩の友人だったと思う。
別にきちんと付き合っているのなら構わないと思った。
でもよくよく話を聞いていると、相手は「裕美を落とせるか落とせないか」を賭けていたというのだ。
よくよく考えれば、その人はその時点で、裕美に正直に事の経緯を話したのだから、最終的には真剣だったのかもしれないが、その話を聞いたときは怒りしかなかった。
傷ついたばかりの友人を、さらに傷つけるような相手は許せなかった。
「そんな相手と付き合うのはすぐに止めて。」
私は裕美に忠告した。

しかし彼女はこう答えた。
「分かっているけど、私は今、糸の切れた凧みたいなんだ。」
S君と別れて、さみしくて仕方がないから、手を差し伸べられたら振りきれないのだというのだ。
そんなに好きなら、なぜあの時彼の気持ちを受け入れなかったのか?
私はそんな自分勝手な彼女にも頭にきた。
そして彼女は、私の心配などには耳を傾けてはくれなかった。
それなら好きにすればいい。
私は起こって電話を切った。
その後は私からも、彼女からもしばらく連絡を取ることはなかった。

後日、他のサークル仲間から、裕美がその年下の彼と付き合いだしたことを聞いた。
心の中で、「どうせすぐに分かれるだろう」と思っていた。

数年後、裕美から年賀状が届いた。
彼女の苗字は変わっており、結婚式の写真が印刷された年賀状だった。

結局裕美はその年下の彼と結婚したのだ。
さみしさを埋めるために付き合い始めた恋も、やがて本当の愛に変わったのだ。
裕美は今、彼との間に2人の子供をもうけ、幸せに暮らしている。

 

raizu著

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